国劇部桜友会」カテゴリーアーカイブ

平成30年度 学習院國劇部本公演

学習院国劇部 現役部員<本公演>
国劇部は 現役大学生のよる歌舞伎の上演を続けており、昨年創立70周年(2017)を迎えました。今年度71年目の本公演を下記の通り行いました。
日時:平成30年9月1日(土)
場所:中央区日本橋公会堂4階ホール
演目:新版歌祭文 野崎村

お蔭様で 200名を超えるお客様がいらっしゃり、一階席が満員となる大入りとなりました。また舞台も、市川齊入師匠、市川新蔵師匠の熱心なご指導を頂き、現役部員もとても頑張り、大変良く出来ていました。国劇部では 今後も 1年に一度の本公演を続けて参ります。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。【国劇部桜友会事務局 菱倉真理】



学習院国劇部70周年記念公演「壽学習院歌舞伎」

学習院国劇部70周年記念公演「壽学習院歌舞伎」
日時:平成29年9月16日(土)
午後3時開演~6時終演
場所:創立百周年記念会館 正堂
内容:現役部員と卒業生による学習院歌舞伎の上演と記念式典
<プログラム>
一、鎌倉三代記 絹川村閑居の場
一、寿目白の賑わい(学習院歌舞伎新作)
一、記念式典
一、忍逢春雪解 大口屋寮の場

壽目白の賑わい

白浪五人男が勢揃い

国劇部桜友会の歩み

 江戸時代、出雲大社の巫女阿国が京都で演じた「念仏踊」が発祥といわれる歌舞伎。日本の伝統芸能の集大成である歌舞伎の同好グループを学習院にも作ってみよう。歌舞伎好きな数人の学生のそうした思いが実り、昭和22年6月、「学習院国劇研究会」は生まれた。
敗戦後ということもあり、西洋文化の優遇色が濃く、日本古来の文化に対しては、封建的で悪いという風潮が世の中に広がっていた。そのため、結成当初は「若いのに変なやつらだ」という目で見られることも多かったという。
結成当時の学内では、歌舞伎を上演することなどはまったく考えられなかった。そこで、歌舞伎の研究を主眼に置いて活動がはじめられた。
メンバーの獲得も大切なことであった。研究会としたからには、芝居の話ができる人を集めねばならない。そのため、すでに入会していたメンバーが創会の告知をガリ版刷りで作り、各教室に張り出した。当初はあまり集まらないと考えられていたのだが、10数人が集まり、そのなかには、作家の吉村昭氏(昭24高・大学中退)なども含まれていた。
メンバーも決まり、学校側に「部」への昇格申請を行ったが却下。すでに演劇部が創部されていたため、同じような部があるのはおかしいという学校側の考えであった。
そうした中、活動は続けられ、翌23年6月に四谷の初等科で記念すべき第1回公演が行われた。演目は「番町皿屋敷」。資金のあてがなかったため、なるべくお金が掛からない演目をと選ばれた。本番では芝居が一時ストップしたりもしたが、なんとか初めての公演は終了。以後、毎年のように「忠臣蔵」や「三人吉三」などの公演を重ねていった。そうした活動が学校側にも認められ、晴れて「国劇部」へと昇格した。
また、青山学院大や東大など他校との合同歌舞伎も実現。国劇部は学習院の名物として現在もその歴史を刻み続けている。
国劇部には、現在も歌舞伎界で活躍しているOBやOGが数多い。創設者の小山觀翁氏をはじめ、坂東彦三郎夫人の坂東生子氏(昭48国)、市川団十郎夫人の堀越希実子氏(昭51仏)、新歌舞伎座の松本清氏(昭54独)、歌舞伎俳優の市川新次氏(昭55哲)、新橋演舞場支配人の武中雅人氏(昭55史)、松竹の岩下雅夫氏(平4法)、原祐道氏(平9日)など、錚々たる人物が名を連ねる。
国劇部が50周年を迎えた平成9年9月、国立小劇場で「創立50周年記念公演」が行われた。演目は「助六」「伊勢音頭」「一条大蔵譚」「弁慶上使」の4演日。OBと現役部員による公演は、立見が出るほどの大盛会であった。
また近年は、生涯学習の発展にも積極的だ。平成10年度から学習院生涯学習センターの公開講座開設にも協力し、「江戸文化・古典芸能」をテーマに全10講座を受け持った。観世会部や落語研究会と共同で行ったこれらの講座は、好評を博した。
創設当初に掲げられた「日本文化の伝承」という使命。それは、いまもOBや現役学生の心の中に息づいている。日本文化への関心が高まりつつあるいま、国劇部の存在意義は今後もますます高まっていくことだろう。